夢喰いの森

夢でいっぱいにしよう...喰べきれないほどに...

H.264のライセンス問題から紐解くコーデック選び

始めに

この記事は個人・同人向けでプロ・商業向けではありません。
執筆者はただの一般人で映像関連の職にいたわけではありません。
なのでプロ・業務向けシステムやそれに付随するコーデックに関する知識はありません。

そもそもH.264とは

2003年5月にITUによって勧告されたコーデック。
まあこの世の中(2018年)では1,2を争うほど利用されているコーデックではないでしょうか。
エンコーダーとしてはx264(FFmpeg)を用いることが多いですね。

H.264のライセンスについて

MPEG LA公式の声明のページを見つけられなかったので、翻訳されているAV Watch様より引用させていただきます。

AVC Videoを利用した映像タイトルなどのコンテンツに関しては、
物理メディアや、PPVやビデオオンデマンドなどを含めて12分以下のものにはライセンス徴収を行なわない。
12分を超えるコンテンツにつては、タイトルに支払われた料金の2%、もしくはタイトルあたり0.02ドルを徴収する。

この部分にH.264を利用した映像を販売、頒布する際、ライセンス料金が発生することが明記してあります。

具体例を挙げますと、ライセンス契約なしにコミケ等の同人イベントでH.264を利用した12分以上の映像を頒布することはライセンス違反となります。

それを踏まえたうえでのコーデック最適解

映像コーデック"VP9"と音声コーデック"Opus"

お分かりの方も多いかと思いますが、Youtubeが採用している型ですね。

若干問題アリ...?

VP9(WebM)はWindows標準のWindows Media Playerでは再生できません。
ユーザー側にプレイヤーの変更を強制するのはH.264に比べ明らかに不利な点だと思います。

VP9・Opusコーデックを利用するには

基本はFFmpeg

FFmpegを利用するのが最適解だと思います。
一時的に可逆圧縮コーデック(Utvideoイチオシ)で出力しておき、
FFmpegでVP9・Opusへエンコードする流れがよいのではないでしょうか。

Aviutlの場合

FFmpegOUTを用いることで中間コーデックを利用することなく
VP9・Opusコーデックを利用することができます。

まとめ

  • H.264を利用した12分以上の動画を配布する際はライセンス料が発生する。(有償無償問わず)
  • 私が推奨するコーデックの組み合わせはVP9・Opusです。
  • エンコードする際は中間出力→FFmpegで最終エンコードで。

一応の採用理由とエンコーダーの特性やらその他は続編へ続きます...。